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経営をしていて、痛感するのは「断る」「捨てる」ということがどれだけ重要かということです。その理由を解説します。

スティーブ・ジョブズの格言には

何を捨てるかで誇りが問われ、
何を守るかで愛情が問われる。

何かを捨てないと
前に進めない。

方向を間違えたり、やり過ぎたりしないようにするには、
まず「本当は重要でも何でもない」1,000のことに「ノー」と言う必要がある。

というものがあります。

1人で経営している零細企業の経営者が、スティーブ・ジョブズのことを語るのはおこがましい限りですが、「捨てる」ということがすごく重要なこととして捉えられているのです。

無駄な誘いを「断る」勇気

経営者は黙っていても、色々な提案を受ける立場にあります。

  • 異業種交流会
  • 知人との飲み会

で別の業種の経営者にあったら、すぐに「一緒に○○という事業をしようか。」なんて盛り上がってしまうことは日常茶飯事ですし、「今度、○○会社の○○さんを紹介するよ。」なんて言われることも少なくありません。

  • 営業電話
  • 営業メール

であったこともない会社のサービスの提案を四六時中受けることになります。

  • 銀行
  • ベンチャーキャピタル
  • 証券会社

「クライアント紹介するからお話をしましょう。」と親切に提案してきます。

私は、これらの提案は全部断ります。

「いいことあるかも」と思うこともゼロではありませんが「断る」と決めているのです。

なぜなら、リソースは限られているからです。

私の場合は、1人で経営しているのでリソースは私自身しかありません。月曜日から土曜日までの1日10時間の1人分しかないのです。

  • 薄利になるかもしれない、業務提携の新しい事業なんて必要ありません。
  • 買ってくれるかもわからない、大企業のお偉いさんの紹介なんて必要ありません。
  • こちらが必要ないものを売り込んでくる営業に会ってあげる時間もありません。
  • ウソばかりの金融会社なんて、はなから信用していません。

よくよく考えると、彼らの提案は「私のリソースを削るだけ」のデメリットしかないことに気付いたのです。

おだてられて気分が良くなってしまうこともありますが、それでもルールに従い、すべて断っています。

ヴィジョンから外れた事業を「捨てる」勇気

中小企業の経営者は、日々新しい売上のアイディアを探しています。

私自身

  • 不動産投資
  • 産業用太陽光発電
  • コンサルティング
  • ウェブサイトの制作
  • ウェブサイトの運営
  • マーケティング
  • M&A
    ・・・

何をやっているか、わからなくなるぐらいいろんなことに手を出しています。

これ自体は悪いことではありません。

しかし、いろんな事業を展開していくうえで、いつの間にか「ヴィジョン」と外れた事業が走っていしまっていることも良く起こるのです。

日本一のウェブサイトの制作会社になるというヴィジョンの会社が、不動産投資ばかりやっていたら、意味が分かりません。

「そんなばかな・・・」

と思っているあなたも、自分の会社の事業を今一度見直してみたら、本来掲げていたヴィジョンを達成する道筋から外れてしまっている事業があるのではないでしょうか。

たちが悪いことに、道筋から外れてしまっている事業が今あるという場合には、少なからずそれで売上がたってしまっているのです。

しかし、ここでも「リソースは有限」というのが中小企業の定めです。社員数1000人の会社なら、道筋から外れた事業にリソースを振り分けて、もしかしたら大当たりを狙うこともあるかも知れませんが、中小企業にそんな余裕はありません。

ヴィジョンから外れた事業は売るか?辞めるか?するべきなのです。

私の場合は、売らずに「辞める」ことを選択します。当初はヴィジョンに即していたはずですから、なぜ軌道から外れてしまったのか、反省したうえで停止します。

わがままなクライアントを「捨てる」勇気

経験上、これが一番難しいのですが・・・

ビジネスのあるべき姿というのは

「商品・サービスの形を創って、それを顧客に販売する」

というものですが、中小企業の場合は

「一部の顧客が、あれもやってほしい、これもやってほしい、とオーダーしてそれに答える」

という仕事を受けがちなのです。

例えば

「御社は○○というサービスはやっていないの、それもやってほしいんだけど。」
「パッケージ商品なのはわかるんだけど、新規事業に合わせて価格はそのままでカスタマイズしてほしい。」
「新規事業やるから手伝って。」
「上司に提出する稟議書も作ってほしい。」

とか、信頼が積み重なればなるほど、顧客からの要望のステージが広がってしまいます。

「大企業でお金も十分にくれるから、ある程度その企業のわがままに対応して、売上は確保しておきたい。」

と経営者が思うのは仕方がないことなのですが・・・

それをやっていたら、ただの「御用聞き」です。

永遠にビジネスにはならないでしょう。

商品やサービスの形を決めるのこちら側
その商品やサービスを利用するかどうかを決めるのはクライアント側

です。

一部の顧客のわがままに付き合うことは「辞める」べきなのです。

勘違いしてほしくないのは

クライアントの要望や意見をもって、商品やサービスを改善、追加して、販売しなおす

というのはありです。

これは、あくまでもこちらが商品やサービスの骨格を決めているからです。

そうではなくて「商品やサービスにないものを要求してくる顧客に、そのまま特別扱いをして、対応するな」ということです。

「御用聞き」で仕事をしていると、社長1人でやっているのなら別に問題はありませんが、ビジネスとしてのシステム(仕組み)がなく、一部の人や顧客に依存するものになってしまうため、会社が発展していかないのです。

まとめ

中小企業の経営者はとにかくリソースが限られています。

だからこそ、無駄なことに力をいれて、寄り道をする暇はないのです。

  • 知り合いの経営者からの提案
  • 飲み会や異業種交流会
  • 営業の提案
  • 金融会社からの提案
  • ヴィジョンから外れた事業
  • 特別扱いを要求してくるクライアント

すべて「捨てる」べきなのです。

「会社の○○年後の目標に対して、最短距離でやるべきことを限られたリソースでシンプルにやる。」これが重要なのではないでしょうか。

「断る」「捨てる」ことは勇気が必要ですが、経営者だからこそ「断る」「捨てる」勇気を持つ必要があるのです。